松の湯の入浴記

所在地・交通 右京区西京極南大入町60
休日 日曜日
営業時間 15:00-22:30(祝日-22:00)

印象・規模 壁全面のモザイクタイル絵が絶品な銭湯。カラン15席(シャワーあり10+島カラン5)。
湯船・お湯 脱衣場に出張って水風呂、浴室手前はカランスペース、奧の男女壁からL字型に深風呂、ジェット浅風呂、電気風呂。右奧にサウナ。
サウナ 右奧に、4名程度。
水風呂 鯉口、冷たい。
ジェット風呂 浅風呂に3基あり。鯉が3匹泳ぐ。
電気風呂 バリバリ型。

感想

2004年9月 水曜日21時

五条天神川を東に初めての信号を北に上がる。京都市体育館の角といったら分かりやすいか。住宅街の角地にある松の湯、屋号の通り、松の木が植わっている。隣は老舗らしい酒屋が居酒屋を併設しているので風呂上がりに一杯というのもあり。

外観は四角いモルタル風のモダン、雨露を防げるひさしが長い駐輪スペースがあり、男女別ののれん。左右壁のガラスブロックに引き戸や鴨居のもみじ柄ガラスが風呂屋さん的。玄関スペースは横長で、下足箱は脱衣場に向かい合う形ではめ込まれている。

四角い番台には奥さんが座り、ご主人は男湯脱衣場で常連さんと話している。一畳台に赤毛氈のベンチが中央に、男女仕切り側に小さなテーブルがありスポーツ紙と灰皿、ロッカーはキング、新しめの石田式体重計、大入り額・・。気になるのは大相撲の番付や野球カレンダーなどスポーツ系のアイテム(なぜか晴雨表もあるが・・)。アテネの女子マラソン金メダリストの野口みずきが所属するグローバリー女子陸上部が近いだけあって、野口ポスターなどが数枚。男湯ならではなのか、「藤田、男前!」と藤田信之監督を讃える張り紙がローカルな応援っぷりが感じられてよい。

浴室前スペースは男女側角の四半円台に石灯籠が置かれ洗面台がそれを囲んでいるのが特徴的。たまに浴室前に坪庭を配している銭湯があるが、松の湯は簡易坪庭といったところか。2段差で広め、赤レンガタイルと逆さチューリップ照明が洋風。

浴室に入るとまず、奧の壁全面にアルプスの山並みとヨットが浮かぶ湖畔。女湯も続きの風景らしく、全面モザイクタイル絵とはなかなか見られない、壮観だ。浴室配置は手前がカランスペース、浴槽は奧にL字型に配置されている東京型配置。塗り替えたばかりの銀色天井に小さめの湯気抜き、浴槽枠は茶レンガタイル、壁は白タイル、床は草餅色(ってどんなんやねん)。カラン台は深緑の焼き付けタイルで、水木しげるの妖怪漫画の背景に出てくるような感じの色遣い。サウナの外壁が燃えるような深い赤の焼き付けタイルで印象的。全面モザイクタイル絵で圧倒されるように、松の湯の浴槽の底はすべて玉石タイル、浴室前の床も丸タイルと京都でも有数のモザイク系。

客層は当然ながら地元のおっさん。阪神戦を見ながら、プロ野球の再編問題に一家言。阪神が弱いと男湯の脱衣場はグチっぽい。