春日湯の入浴記

所在地・交通 右京区西院坤町80 市バス西院南巽町下車徒歩3分
休日 月曜日
営業時間 16:00-23:00

印象・規模 看板のない東京型?銭湯。番台式、カラン9+島カラン6の計15席。
湯船・お湯 浴室奧に右から深風呂、半分が泡の浅風呂、薬用泡風呂と並ぶ。薬はぬるめで深風呂は熱い。
スチームサウナ 脱衣場側、4名程度、オレンジと黄色のタイルが印象的。
水風呂 脱衣場側、ライオン。
薬用泡風呂 ぬるめでゆったり。

感想 2004年7月 日曜日21時


所在地の坤町は「ひつじさるちょう」と読む。坤は南西の方角を示す言葉。この付近には南東に巽町(たつみちょう)、北西に乾町(いぬいちょう)があり、何かを拠点としてその東西南北に町名を配置している。残念なことに、私には何を中心としているのかよく分からない。京都の町名には方角を表すものがいくつかあるが今となっては、どこから見て北なのか南なのか風景を見るだけでは分からなくなっている。ちなみにこの付近には北東を示す艮町(うしとらちょう)も昭和29年まであったそうだが乾町に組み込まれたとか。でも、北東と名のつく町が北西と名のつく町にに組み込まれるってのは町民感情が複雑だろうな、東西冷戦?


今回の春日湯は、艮の方角にある(くどい?)春日神社から屋号を取ったと思われる。西小路四条をちょっと巽に(もういいっちゅうねん)入った住宅街にある銭湯。みごとなまでに看板が一切ないのでのれんを見落とすとあたりを徒労の旅に出発しなければならない。どちらかというと向かいの民家の松の枝振りや季節の花が目立っているのでそれを目印?に。


窓の格子のはまっている古風な木造のお風呂屋さん。通りに突き出した玄関スペースののれんをくぐるとようやく春日湯という屋号が書かれてある奥ゆかしさ。玄関はあがりの床が黒系の変形モザイクタイルで、番台裏が水色系のミックスモザイク、番台からすりガラス越しに玄関の様子がうかがえるタイプ。男湯は左側。


番台は小さめで男湯側に出入り口が付いている。その前日に神戸の銭湯で高い番台を見たせいか、春日湯の番台が非常に低く見える。京都は一般的に番台が低い。ここも昔ながらの京都型銭湯だな〜、と油断していると何か違う。なんと脱衣場の床がフローリングだ! それに猫が仰向けになって寝ころんでいる、それも二匹!(笑) 


京都(関西)でフローリングだなんて珍しい。ちょっと気を引き締めてかからねば。ロッカーはキング、寺岡式敏感自動秤の体重計、ロッカーの上にテレビ、宝飲料の冷蔵庫、天井は白ペンキの格天井、番台上にはかわいい福助の大入り額、テレビのチャンネルが日曜洋画劇場なのは番台の奥さんの趣味か。よし、今のところ異常なし。


えー、浴室前は、お、上部に横長の大きいタイル絵、図は筏流しの渓流下り、女湯にも同様のタイル絵、色遣いは変わらないがそっちは雪山が描かれている。浴室へは2段差あるが段差は低い、天井からチューリップの照明がぶら下がる。見上げると浴室前スペースの上部はびっしりと水色系モザイクタイル、なかなかのもの。


浴室は左右がカラン、中央に島カラン、奧が浴槽の東京型配置、何かあやしいと思っていたらやっぱりそうだったのか(なにがやねん)。コンパクトにまとまった小さめの浴室だが色の使い方がいい。カラン台と浴槽枠は同じ藍色のタイルを使用してており、ちょうどカラン台と浴槽枠が同じ高さなので藍色のラインが浴室をぐるりと囲む統一感。天井の周囲も同じラインを使っている、くっきりとした藍色を使うと表情が厳しくなるが、このタイルは色にムラをつけた焼きタイルで素朴感を演出。


スチームサウナも久々に入ったが大きめの本格派、たまにはいいもんだ。湯上がり、床に寝そべる猫の背伸びがあまりに気持ちよさそうだったので、脱衣場にあったぶら下がり健康機にぶら下がってみた。