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富士山登頂記1
不肖、私儀このたび日本の頂点を極めました。3776メートルです。
「富士山登山」、そのあまりにも俗っぽい言葉の響きに今まで食指が動かなかったのですが、ちょっと話のネタづくりに、と恥ずかしながら登って参りました。
が、帰京後(もちろん京は京都のことね)「富士山登ったよー」と触れ回ってもなぜかみんな本気にしてくれません。僕も同行者のNくんも日頃の行いが悪いからでしょうか。そこで、このページをつくって証拠写真を披露しよう、というわけです。
持っていくもの・服装などはこちら
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二日前
Nくんとの深夜の与太話にて。 「どっか、行きたいよな」 「九州炭坑ツアー、広島やくざツアー、・・・他にないかな」 「海か山やね」 「海は似合わんな」 「そういえば淡路に島流し中のHは何してんの?」 「週末は富士山登るって言ってたよ」 「・・・、俺らも富士山いかへん」
「二番煎じかー、でもおもろそうやな、Hには内緒で行って頂上でびっくりさせよか」 全くのいきおいで決まった富士山登山の予定。 でも本心、それほど行きたくもなかったんです。 しかし二人とも言い出せなかった「やっぱ、やめへん?」
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前日
大阪でHと会う約束があったので、北新地で待ち合わせをする。 Hはバスツアーで梅田を朝7時出発、河口湖方面から吉田口夕方7時に登り始めて山小屋一泊、御来光を拝んで、下山、その日の夕方梅田で解散、しめて13800円也。
「あらら、意外と安いやん、俺もツアーがいいな」と思ったものの、そこはインディビジュアルな自由人の僕としたら個人旅行でしょ。計画性がないだけだけなんだけど。
やっぱりというか、Hに富士山行くことを白状して買い物についてきてもらう。でも梅田って物価高いから?ニーズにあったものがないんだ。
結局すぐ京都に帰る。
青春18切符は大阪駅ビル地下の金券ショップで買う。
往復二名だから4枚分。
出町柳の地下から上がると雨模様。チャリンコを必死にこいで店を回る。
やっぱり京都はわかりやすい。
御池のロッジでレインスーツ、新京極のMont・Bellで帽子を買う。
持ち物編
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京都発
7時45分発の新快速の米原行きに飛び乗る。
混んでて座れず、Nくんはスポニチ。 背負っているリュックが小さくて早速ひもが切れそうなんで結わえる。心配。 |
名古屋で昼食だぎゃせっかくだから名古屋でおりる。岐阜の金津園見学でもよかったんだけどまだ早いから。駅ビルの高島屋で休憩する。最近新しくできた店は座るところがいっぱいあっていいなー。
朝からなんも食ってない、ちょっと腹が減ってきた。名古屋といえばサービス満点のモーニング!ちょうど時間も10時過ぎ。
「モーニング、モーニング、モーニングが食いたいー!」と連呼していると愛知出身のNくんは「名古屋を馬鹿にすんなー、モーニングだけやないよ、中日ドラゴンズ」そういえばどこからともなくドラゴンズの応援歌が「二番井上ぶさいくで〜」
広小路歩いて公設市場見て、やっぱりなにもない。時計の針は11時に・・すでにモーニングの時間じゃない。ちょっと真剣に店探そう。
ふらりとはいった三井ビル東館地下一階。「バイキング」という文字が冠二郎ばりの衝撃で目にはいる。聞けば880円で刺身が食えるという。
木・金・土は和風バイキング、いかがですか?
刺身・焼き物・煮物サラダに酢の物・果物、普段食べられないものばかり(笑)富士山で死んだらこれが最後の優雅な食事だから食べるのにも力が入る。「武儀 きざくら」ちゅう店です。写真は違う店ですが。腹一杯♪
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富士宮→新五合目
腹ごしらえもしたし先を急ごう。これからが地獄の東海道、普通列車しかない。二人とも今晩の徹夜に備えてひたすら寝る。
それでもなかなか着かない、寝疲れた。恐るべし東海道普通列車。
JR富士駅で乗り換え待ち。
なぜか消費者金融の看板が多い地方の駅前。
駅前ではストリートライヴやってる高校生が、ほほえましい。
「俺たちの若い頃もよくやったよね」とNくん。
やってないって、
もっと地味やったやろ。 |
東海道本線から身延線に乗り換えてガタコト、富士宮駅に降り立つ。バス乗り場で新五合目までの乗車券を買う、1970円。
待ち時間で駅前の長崎屋で食料品買い込む。
長崎屋ってまだ営業してるんやねえ、失礼だな。
これから十数時間大したものは食べられないので、いくら丼を買ってバス停で食べる。出征する兵隊さんの気分。
16時45分のバス。
霧かなと思ったら、雲の中でした。 なま暖かくて気持ち悪い。
ポーズをとるNくん。
夏の富士登山は大混雑と聞いていたので、バスに乗ってびっくり、10人もいない。
しかも外国人比率50%以上。何か不気味。
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五合目の逡巡
五合目に着いたのは18時半過ぎ。
御来光は明朝4時半過ぎだから10時間はある。だいたい6時間で登れるということなんで、まだだいぶ時間がある。
それにしてもとにかく寒い。山頂は8月でも夜は摂氏3度ぐらい。
目前には岩ばかりの富士山が立ちはだかる。
二人で登るのは心細いなあ
旅は道連れ、世は情け、ということで同行者を探すことに。バスの中で知り合った女性二人組にターゲットを絞って(笑)アプローチかける。
しかし二人の予定聞いていたら御来光までに頂上に着くか不安になってきたので、泣く泣くあきらめる。
いや、いいさ、山登りは孤独なもんだ。・・でもなあ。
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出発20時40分出発。 いきなり辛くなる。ああ、これは女の子と登らんで正解だ。しゃべってる余裕はない。
Nくんは五合目で買った登山杖をつき、僕はNくんに拾ってきてもらった高級登山スッテキをつく。 6合目までは快調にとばす。 月がこんなに明るいとは思わなかった。懐中電灯も要らなくなった。
星も瞬いて見えた。たくさん星がありすぎて逆に星座が見にくいくらいだ。 7合目、こまめに栄養補給。
Nくん、いつもは汗かきで一日3リットルはお茶を飲むが、今日は喉乾かないらしい。
富士山の魔力。
物思いに耽るNくん。
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話が長くなりましたので、ページをかえます。 つづきへ |
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