薬草湯の入浴記

所在地・交通 金沢市菊川2-8-20
休日 火曜日
営業時間 14:00-23:00

印象・規模 その名の通り日替わりの薬草湯、脱衣場はマンガ喫茶風。男湯は右、番台式、壁カラン12席+島カラン12席。
湯船・お湯 浴室奧に左からマッサージイス付き深風呂と泡浅風呂の複合、薬草風呂と並ぶ。サウナと水風呂は右側壁の向こう。
サウナ 4名程度
水風呂 底面に鯉が2匹。
マッサージ風呂 深風呂にある、配気管で作られたマッサージイスがあり、10個の噴射口からジェットが出る。
泡風呂 浅風呂に。

感想

2004年7月

薬草湯犀川大通と犀川のちょうどあいだを通る旧道沿いにある薬草湯。このあたり、今はちらほら商店が建ち並ぶ程度だが、縦横の旧道が交差する場所であり、ちょっとした文化の香りを感じる。薬草湯から犀川に150メートルほど近づいたところの菊川町小学校のあたりには文政から天保年間に1700人規模の歌舞伎芝居小屋があり、「犀川川上芝居座」して地元役者と上方や江戸の役者の競演が見られたという。その周囲には十数軒の芝居茶屋があって金沢一の賑やかさだったというから、今でも残り香があるのは当たり前だ。


さて、茶色の外観が印象的な薬草湯。入口は階段を上った2階、いや2階という程高くなく中2階といった感じ。男女が別れる入口の中央にはモザイクタイル絵があるが観葉植物と立て看板で見えなくなっている。壁にはレジオネラ菌検査済みの証明書、薬草湯がウリなだけに衛生面には特に注意しているみたい。ドアを開けると番台、土間で履き物を脱ぐ古風さがナイス。


脱衣場が何とも個性的で、床が赤いマット敷き、丸かごに壁の広告、キングのロッカーは鏡や棚の列がはめ込んである変則的な配置でおもしろい。しかし、脱衣場の目玉はやはり漫画、ロッカーとは反対の壁の本棚にズラリと漫画の単行本が並ぶ。私は風呂上がりにさいとうたかをの劇画座招待席シリーズ「白人ウソつくな!」、そのあまりにストレートなタイトルにひかれ、思わず手に取ってしまった。アイスを購入、北国新聞を読んで長居、極楽極楽。


浴室前は2段差の関西風、浴室は左右に壁カラン、中央たてに島カラン、奧に浴槽群、右の壁向こうにログハウス風サウナと水風呂のスペース。浴室入口の左右壁に水シャワーと湯シャワーコーナーがあるのは金沢によく見られるタイプ。サウナには濡れたタオルの持ち込み厳禁の張り紙はあるが基本的に無料。それに底に鯉タイルが泳いでいる水風呂、旅先で歩き疲れた体にはサウナと水風呂の緊張と緩和、これが一番なんだよなあ。どっちが緊張でどっちが緩和なのかは分からないけど。


サウナ側の5席のカラン台が非常に高い位置に付いており備え付けのイスも高い。足腰が弱くなってしゃがめないお年寄りでもこれなら大丈夫なバリアフリー。浴槽はここの屋号になっているだけあって薬草の香りがプンプンする日替わりの薬用湯がメーン。今日は「健美泉」という、甘草やヤマクチナシなどが入った漢方湯。それに深風呂のマッサージ風呂がすごい。パイプ配管で組まれたイスに座ると10個の噴射口からジェット、すこぶる実験的なマシーン。


浴室奧の壁の上部には加賀前田家の家紋・梅鉢をかたどった照明、深・浅風呂の湯の吐き出し口は段差をつけて流水風、お、浅風呂はネオン付きかな? 男女壁上部にはステンドグラス風の意匠、なかなか見た目に楽しい銭湯だ。風呂上がりに番台の上の神棚を見上げると天井に「雲」の張り紙の心配り。さあ、リフレッシュしたことだし片町に繰り出すぞー!