野町湯の入浴記

所在地・交通 金沢市野町5丁目5-11・ 北陸鉄道石川線野町駅すぐ
休日 月曜日
営業時間 13:00-22:00(一説によると14:00-23:00)
印象・規模 レトロな駅前銭湯、カランはシャワー付き5+シャワーなし11席。
湯船・お湯 浅い・深いとも非常に熱め、44度ぐらい?
ジェット風呂 ジェット2基、ジッコウ湯でもある。
感想

2001年7月

駅前の看板、写真の建物の横道を入ると野町湯の玄関に
金沢に行ったらまず入りたかった銭湯、野町湯。レトロな駅前銭湯、その言葉の響きにワクワク。金沢の中心地・香林坊界隈から自転車で10分、北陸鉄道石川線の始発駅・野町駅がある。旅行者から見るとなんでこんなところに始発駅があるのかよく分からないが、鉄道敷設華やかなりしころ、トラフィックターミナルとして期待されていたのだろう。駅前にはバスターミナルがありそれなりに立派な駅前風景だが、数十年前はもっと栄えていたのだろうなと思わせる寂しさがそこはかとなく漂う。

野町湯は駅の改札を出て左をむくと行灯看板が掛かっているのが見える。そこが正面玄関か、と思うとそうではなく反対方向の細い路地に玄関がある。駅前から入るとボイラーやトイレがある空間を抜けて行かなければならない。前栽を抜け、入口に立つと宝船のタイル絵がお出迎え。殿方と書かれた木のドアを開ける。おー、感激的なレトロ銭湯だ。タタキ土間で靴を脱ぎ、番台でお金を払う。番台の側面を下足ロッカーに使ってあるタイプ。



金沢の銭湯には男女壁の上に広告が載るところが多い

漆喰のような白に緑のペンキで十字を切った格天井、カギのついてなさそうな取っ手式の木製ロッカー、男女壁の鏡広告は旧町名とおぼしき記述、その前になぜか銭湯によく置いているハンドマイク。レトロ銭湯の条件をすべて満たしている。さらに丸カゴである、関東風だ。籐ムシロに丸カゴ、東西文化の折衷だ。




丸カゴに衣服を放り込んでさっそく浴室へ。浴室前のスペースは2段差で関西風だ。入って一番最初に目に付くのは奧壁の上部一面に描かれたモザイクタイルの山並み。場所柄、白山なのかなと思い、尋ねたら「女湯の方には湖が描かれてある」ので白山じゃないと思うわ、という返事。その対面、入口上部の壁にはスケールは小さいが富士山が描かれている。



さて浴槽はと、湯に浸かるとこれが熱い。一日中、金沢市内を自転車でウロウロして「あー、暑い、水風呂にザブンといきたい!」と思っていた私にはちょっと辛い。と、まあ、入ってみると熱い湯もいいもんだ。浴槽に湯を流しているのはギリシャ風の女神様。


身体を洗っていると、ちらほらお客さん。親子で入ってお父さんがいろいろ子どもの世話をしている。さすがに子どもはこの熱い湯には入らない。こういう設備はシンプルだけど、壁や床に細かいタイルが施されているレトロな銭湯の浴槽の縁に腰掛けてぼんやりしているのもいいなあ・・。と思っていたら大阪へ帰る特急の時間が近づいてきた!急いで服を着て帰る。金沢駅に着く前にまた汗でぼたぼた、今年の夏は暑すぎる。

そういえば、金沢の銭湯、どこにでも上がり湯代わりの立ちシャワーが設置されている。ここは側面が富士山。