東湯の入浴記

所在地・交通 金沢市東山1丁目
休日 火曜日
営業時間 平日14:00-0:30・日祝13:00-0:30
印象・規模 外観は観光地銭湯。カラン10+シャワーなし4席列カラン。
湯船・お湯 男女壁にそって浴槽群、浅い深い白湯と泡風呂。
スチームサウナ スノコがひいてあり、檜のいい薫りがしてリラクゼーション。
水風呂 浴室奧、隣に坪庭がしつらえてあり竹林(というほど大きくないが・・)を眺めながら入る。
ジェット風呂 ふくらはぎ刺激付き座式ジェット、2基。
薬用泡風呂 ジッコウだったかな、ぬるめでゆったり入られる。
感想
2001年7月

東湯のある東山界隈は江戸後期からの茶屋街である。売春防止法により娼妓のいる下店は廃止されたが、芸妓のいる上町は規模を縮小しながらも現在に続いている。弁柄格子の続く町並みが美しい。
その中心とおぼしき一角で粋な黒塀と白壁のコントラストを誇っているのが東湯である。向かいには大正時代から続いている洋食屋の「自由軒」、コーヒーが美味しい喫茶店「銭湯家(セントハウスと読む・東湯にひっかけている)」があって、観光客が記念撮影をしたりしている。

暑い7月の太陽、茶屋街の観光はサクサク済ませて、東湯に飛び込む。
観光地にありながら、観光客は滅多に来ない、ということである。そら、そうだね。近くにコインランドリーがあるしやはり生活密着の銭湯である。昔からこの付近は職人さんが多いので、早く仕事を切り上げた職人さんが午後3時も過ぎれば一風呂入りにくる。最近では職人さんも年をとってセミリタイアなので長風呂になったそうだ。

さて、自動ドアをぬけ、フロントでお金を払う。フロント前にテレビ、ソファーの休憩コーナー、壁に絵なんか掛かっているのがよろしかるかる。風呂上がりにはドリンク。クリームソーダ「スマック」という珍品を飲んだ。

暖簾をくぐり脱衣場。「雨が降ろうが、雪が降ろうが、風が吹こうが、ここ東湯には元気のあるお湯がある」と書かれた額が目にはいる。天井は高くないが籐ムシロ、木目合板のロッカーは落ち着く。フロントに通じるご用聞き窓があるのが番台式だった頃の名残。BGMはクラシック。

浴室にはいる。白レンガ、ベージュの床、落ち着いた浴室。珍しいのは外観の黒塀と色調を統一したように天井の山形が黒く塗られているところ、白い湯気ヌキとのコントラストを眺めながら湯に浸かる。

あまりに外が暑かったので水風呂にばかり入る。と、浴室で走っているおっさん、腹筋をはじめたおっさん、のどかだなあ。
風呂上がりは上がりシャワーで身体をしめる。金沢には上がりシャワーが欠かせないようだ。
ケロリン桶もよろしく。


この界隈、観光地区で昼間は車が通れないらしい。東湯の向かいに有料駐車場があり、管理人さんが常駐しているが現代の「茶屋町の門番」といったところ。