都湯の入浴記

所在地 土手町七条上(七条河原町一筋東上ル・市バス七条河原町))
休日 第1・3木曜日
営業時間 15:15-0:30
湯上りの感想
規模・座席数 外観は地味ながらペンキ絵はじめキッチュの凝縮、7席+円柱島カラン3席+カランのみ2席。
普通の湯船 男女壁に沿って半円状の浴槽、手前が深い、奥が浅い。浅い湯船底の丸タイルは黒とグレーと藍の地味な色使いながらここでしか見られないオリジナルな雰囲気。
水風呂 木にまたがったリス。
印象 2001年1月
京都駅ビル伊勢丹のレストランで新年会、その後、寒空の下、都湯めざす。
七条河原町の東側に「人情うどん」という看板を掲げた「春ちゃん」というバラック建のたべもん屋がある。色々説明書きがあって創業47年とある。ほんと戦後の闇市から抜け出したような雰囲気である。メニューもホルモンなど庶民的なものが多い。
私が知っている京都なんてここ十五年ぐらいのものだが、京都駅ビルができるまで、京都駅界隈のイメージはもっと雑多で「京都の中の田舎」という感じだった。ちょうど東京の上野って感じ?一回しか行ったことないけど。

そのランドマークが公園の不法占拠みたいに建っている「春ちゃん」。中学校の遠足の時、ビビビときて、一度は食べたいと思いつつ、いまだ果たせずにいる。

その道を北に上がると都湯。外観は幅がとても狭い。中に入ると奥行きが随分ある、ウナギの寝床タイプ。
番台でお金を払ってすぐに目に付くのが浴室前上部に描かれたタイル絵である。京都は浴室でなく脱衣場から見えるところにタイル絵を持ってくることが多い。
何処かの田舎の風景だがタイル絵っぽくない繊細な筆遣いが魅力的。男女壁にまたがって描かれてあるが、女湯の方にもみじの紅葉が描かれているとのこと。赤色をタイル絵に使うことは珍しく、この間、美大の学生さんが写真を撮りに来ていた、と番台のおばちゃんに教えていただいた。大正年間から四代続いた、二代目のご主人がタイル絵を注文されたそうだ。

ここはタイル絵以外にお風呂ドリンクの品ぞろいも豊富である。いたくらブランドのショウガあめ、ローヤルサニー、シーホープ、フジコーヒー、ヒアップ。僕はショウガあめを飲んだが、冷蔵庫からとってすぐに栓を抜こうとして、おばちゃんに「よくふらな底にとごんで」と言われ、ド素人なのがばれちゃった。

二階に上がる階段、籐籠、冬は羽をしまっている天井の扇風機、招き猫の代わりに和風の女人形・・。
銭湯全体を通して特徴的なのは奥に行くにしたがって上がっていく立体的なところである。玄関、脱衣場から浴室、いずれも階段状になっている。
浴室入口の壁にははめ込みのブロックガラスが。浴室はいたってシンプルで床は暖色、壁は白タイル。天井が水色と灰色など数色が入った独特の色使い。
地元の常連さんは幅広い客層。
風呂上がりに居酒屋風のベンチでドリンク飲みながらタイル絵眺めるのは至福ですよ。