栄盛湯の入浴記

所在地・交通 左京区下鴨膳部1
休日 月曜日
営業時間 15:00-23:00

印象・規模 京都濃縮100%な庭のある銭湯。土間番台式、男湯右側、カラン15席、すべてシャワーあり。
湯船・お湯 脱衣場に出張ってサウナ、男女壁沿いに手前から水風呂、浅風呂とすわり風呂の複合風呂、それに付随して浴室中央に円形泡風呂。
水風呂 ライオン口と打たせ水。大きめ、冷たい。
すわり風呂 土踏まずふくらはぎ刺激付きのすわりジェット2基。
泡風呂 円形の浅風呂で栄盛湯のメーン浴槽。

感想

2004年10月 金曜日20時

下鴨本通北大路を南に、一本松の交差点。一本ならぬズラリと角に並ぶ自販機が目印。「下鴨本通りの自販機が一杯並んでいる交差点で待ち合わせな」で通用する。そこを東に入るとすぐに「ゆ」の看板が見える。この通りは俗に「定食屋通り」で栄盛湯の隣の千成餅食堂はじめ、鏡広告にある舞川、音色食堂と学生がひとりで食べにいくような食堂がある。風呂上がりに食べるか、食べてから入るか、よく迷ったものである。

生け垣に石の太い門柱、その門に覆い被さるように伸びた松の枝振り、庭にはいると大きな池があり、錦鯉が泳ぐ。のれんへはそのいけに橋を架けるように石畳が敷いてあり、なんとも風情。店の近くに来ると「さわさわ」と水の音が聞こえてすがすがしい気持ちになる。外観は町家建築、組子の縦格子窓から脱衣場の明かりが漏れる。2階からの明かりや照明看板、門柱の外灯・・、明かりに吸い寄せられる虫のような私。

のれんをくぐると土間にU字型の番台。いわゆる土間式だが、きれいに改装してあるのが珍しい。というのは京都の銭湯は昔は土間だったものに玄関を後付けしたところが多く、土間が残っているのは古くからのものそのままで、改装してまで土間を残しているのはめったにない。きっと立派な前栽を残すためにポリシーを持って土間のままにしてあるのだろう。下足箱は鶴亀錠。その上には小鳥の鳥かご、水槽が並ぶ。番台の中に入らず、その前で奥さんが「おいでやす」。

脱衣場はこぢんまりとしている上にベンチにマッサージ機2台、本箱、それにロッカーに脱衣かごを入れずに床に置く人が多いので足の踏み場もないほど。というのも風呂上がりの居心地がいいのでなかなか客が帰らないのだ。スポーツ紙、漫画雑誌、写真週刊誌に単行本の漫画とそろっており、みんなリラックスムード。格天井にシーリングファン2つ、新しい方がクルクル回っている。アンソニアの古時計、黒招き猫、柳行李に石田の小型アナログ体重計、折り鶴マークの鶴亀錠ロッカー、池に鯉を飼っているからかカレンダーは「鯉のグラビア」である。浴室前はサウナがU字型にかなり出張ってきており、2段差(3段枠)。そうそう、忘れてならないのが季節ものの飾り物、10月はなんとハロウィン、風呂屋にハロウィンとは似つかわしくないが、男女の仕切りにオレンジのカボチャがぶらぶら〜。

改装されて新しい浴室はこれまたこぢんまりと小さいが、なかなか配置が面白い。まず脱衣場に出張ったサウナは、ベンチがU字型でBGMがテレビ放送?、うん?、なるほど番台のテレビが窓から見えるタイプだ。そのサウナの横、男女壁に沿って手前から水風呂、観葉植物で分けて、すわり風呂と前に浅風呂の複合風呂、そこから細胞分裂するイメージで浴室中央に円形の泡浅風呂が並ぶ、なんともユニークな配置。浴槽枠は赤御影、側面は白系の大きめモザイク、床はすべり止めの白、壁は下が暖色、徐々に寒色系にグラデーションと工夫。カランは壁側と奧、男女壁にズラリ15席。鏡が立ち姿を映せる2枚つなぎで座ってもチンチンまで見えて便利(どう便利かは知らんが)。客層は若い人が多く、女湯に向かって「おーい、出るでー」、こぢんまりとしているので浴室も脱衣場も男女の会話がやりやすいというか筒抜け(笑)  

風呂上がりにマッサージ機に座ってフライデー、あー落ち着く。そういえば道路側の新しい時計が天気を知らせる機能が付いていてかっちょいい。ちなみに今日は鏡広告にもある舞川で晩ご飯を食べてから入浴。