明石湯の入浴記

所在地・交通 左京区二条通川端東上ル難波町217
休日 水曜日
営業時間 16:00-23:30

印象・規模 タイルの色遣いにこだわるおしゃれ銭湯。番台式、男湯左側、カラン14席(シャワーあり11+なし1+島カラン2)。
湯船・お湯 脱衣場側に出張って水風呂、男女壁の真ん中から奧にかけてL字型に浴槽配置、手前から泡なしの薬用風呂、深風呂、岩流しの浅風呂とジェット泡ネオンの複合風呂。
水風呂 冷たい。
ジェット風呂 2基あり、下から泡の超音波風呂仕様。
薬用風呂 ずっと「桜風呂」とのうわさ。

感想

2004年10月 

川端二条の米屋が私の行きつけ(どうでも良いけど)。その角を東に3筋目の路地をのぞくと明石湯の看板がほのかに光る。タイル張りだがその上からひさしがのぞく、和風建築を囲むようにタイル張りのモルタルを後付けた外観、のれんは短い屋号が入ったオリジナルのもの。玄関は珍しくあがりが板の間、だからというわけでもないが張り紙に「板の間稼ぎに注意」とある。板の間稼ぎとは入浴客の衣服から財布などを抜き取る泥棒のことだが、京都では脱衣場がむしろ敷きで板の間ではないのであまり使わない言葉だと思う。キング錠の下足箱。男湯は左側。大正9年ごろ創業と歴史ある銭湯。

脱衣場に入って「おやっ」、小振りだが一風変わった空間。京都の銭湯は壁側にロッカーが並び、男女仕切りは鏡が張られドライヤーコーナーになっているのが多いが、明石湯は反対。男女の仕切りにロッカーを背中合わせに配置している。それに真っ赤な家庭用冷蔵庫、「サタデーナイトフィーバー」のジョントラボルタに「七年目の浮気」のマリリンモンローのポスター、船舶の写真が壁に張られており、雑誌はメンズノンノ、ご主人はかなりのくせもの、いや洒落ものだ。ロッカーはおしどり錠、寺岡式の大型アナログ体重計に招き猫。ショーケースに並んだ物販品がかなり豊富で「手に取ってみてください」と張り紙。そういや、銭湯で物販品を吟味している客は見たことないな。浴室前スペースは3段差、天井には湯気抜きあり、洗面仕切りがあい色の花びらを散らしたタイルで高級感。

浴室に入って「おやっ」、この銭湯いちいち不思議だ。タイルの色遣いがどの銭湯にも似ていないユニークなものだが調和が取れている。壁は白タイルでカランシャワーの高さに緑のライン入り、浴槽枠と側面はオレンジのグラデーションで床がなんと青系三色、そのパステル調和を引き締めているのが奧の男女壁付近のグレーの波紋タイルと下の岩オブジェで良い感じ。男女壁の上に青のプラスチック仕切りと奧の壁に続くあい色の枕タイルがラインをスッキリ。

浴室は、水風呂は大きめなのが脱衣場側に出張っていて、入って正面に半円形の上がり湯槽があり、ライオン口から湯が出ている。その奧が短い島カラン。両サイドにカランがつき、男女壁の真ん中から奧にかけてL字型に浴槽配置、手前から泡なしの薬用風呂、深風呂、岩流しの浅風呂とジェット泡ネオンの複合風呂。いずれも浴槽枠が丸みをおびて重なり合い、上から見たら雲のようだ。浴槽内は長方形モザイクタイル。タイルの色遣いを緑と青のネオンがいっそう引き立てる。薬用風呂は「桜」、ニオイはほのかに・・って桜の花のニオイどんなんだっけ。

祝日の夜、23時を過ぎると他のお客がいなくなった。以前は23時までの営業だったのを近年30分延長したらしいので常連さんは23時までに出るのかな。ちなみにこの明石湯は以前、木屋町に10年ほど前まであった明石湯(杉浦日向子『入浴の女王』で有名)とは創業時のオーナーが同じでどっちかが第一、第二と屋号に付けた間柄だったとか。