トロン稲荷湯の入浴記

所在地 三条神泉苑下今新在家西4
休日 金曜日
営業時間 15:00-0:30(日曜日朝8:00-23:30)
湯上りの感想
規模・座席数 トロン泉に特化した一点豪華主義がナイスな商店街銭湯。フロント式、男湯右側、カラン壁側12席、浴室入口側島カラン5席の計17席。ロビーにカウンターバーあり。
お湯・浴槽 男女壁側にトロン泉を使用した大きな複合浴槽が一つ、ジェットと泡を兼ねている。
サウナ 8名程度、テレビ付き。遠赤外線サウナでトロンサウナ?!遠赤外線サウナは体感温度は20度上増しになるので、温度を低く設定でき、息苦しくない。
水風呂 打たせ水あり。
ジェット泡風呂 6基あり、手前には泡スペースも。
印象

2000年1月、2004年4月再訪

堀川から千本までのびる巨大アーケード、三条会商店街の西友(スーパー)を少し西に行き下ると「トロン温泉稲荷」のしゃれた看板が見える。車は近くに専用駐車場があり、4台ぐらい置ける。のれんは自前で染めあげたもの、トロンの効能板がのれんの横に掲げてある。稲荷湯の屋号は少し南に下がったところにある稲荷神社からとったものだ。自動ドアを抜けると正面にフロント、一緒に行った友だちが「おばあちゃんの家に来たみたいな暖かさ」と表現したようにいろいろな置物や手芸品が飾られてある。


フロントの横には休憩スペースがありL字型のふかふかソファーにテーブル、奧にはカウンターがあり「トロン水付きのジャガバター」や「ぶどうのアイスクリーム」などオリジナルメニュー。大型テレビにどんなものか気になるエアーマッサージ機、ネタアイテムではなぜか京都の銭湯で何度か見かたことのある田中邦衛の色紙、きんさんぎんさんの写真、男女入口の上にはちゃんとお稲荷さんの神棚がある。雑誌、スポーツ紙も豊富で報知新聞まで(巨人ファン?)。そういえば昔、この近くに住んでいる大学の同回生が新聞の勧誘員に「新聞は稲荷湯で読んでるので・・」と断っていた。


ロビーがあるので脱衣場はシンプル、大日之出ロッカー、男女仕切り側と奧には貸しロッカー(6ヶ月2500円)、中央には長いす。天井は5つのシーリングライトのバックにウィリアム・モリス調の花柄がおしゃれ。浴室前スペースは2段差、浴室は右壁側にズラリとカラン、手前にも島カラン的にカランが横にならぶ、そのついたての向こうがジェットが6基並んだ大きなトロン浴槽だ。浴槽枠は赤御影、全体が浅風呂タイプで奥行きが170センチほどなので寝風呂的にゆったり入れる。ジェットは背中に当てるだけでなく逆に向いて足の裏に当てたり思い思いにじっくり楽しめる。男女壁にはトロン温泉の効能と入浴方法が書いてあり、トロン温泉はドイツ生まれとある。なるほど、そういえば稲荷湯はドイツっぽいな。え、どこがドイツっぽいかって? う〜ん、なんとなくね・・。


奧にはサウナと水風呂、トロンサウナというのは謎だ。浴槽の種類が少ないとじっくりサウナとお湯を楽しもうという気になるのがトロンの狙い(笑) 白天井に壁は白レンガ調、照明は逆サクランボに壁ライト、奧の壁の上部、レトロな銭湯ならタイル絵があるところには中にライトを仕込んだサインボード(駅のホームの看板のようなヤツ、コルトン)が埋め込まれてある。そして浴室入口からサウナまでの床に茶色の点字プレートタイル(歩道にある視覚障害者用のブツブツのヤツ)を使っているのに感心、そういえば手すりなど各所に気遣いが感じられる。浴槽をトロンに特化しているのをはじめ非常に個性的。ちょうどオリンピックの時期に訪れたときには、サウナの中にあるテレビを見ようとサウナの回りに5人ほどが集まって応援、なんともアットホームな銭湯である。

トロン温泉について。
ドイツの中世貴族が好んで入泉し、また兵士たちが戦いの傷を癒したとして世界的に知られるバーデン・バーデンのトロン温泉のトロン薬石モナザイトは、地球上にごく僅かしか存在しない不議な石。人口トロン温泉は、天然トロン温泉に極めて近い湯質と効果を科学的に作り出しているらしい。 高度の湯質、高濃度のトロン含有により、続けて入泉すると難病とされているアトピー皮膚炎にも抜群の効果があり湯舟に浸かるだけでかゆみが治まり、1日3回入ると効果が表れてくるそうだ。また、毛穴が開いてトロンの霧がシワや体に入っていくため、美容と健康にいいと女性に特に人気がある。トロン源泉は酸性なので、ほんのりとすっぱい匂いがする。40.5度のお湯は無色透明でさらっとした感じ。