錦湯の入浴記

所在地 堺町錦小路下八百屋535
休日 月曜日
営業時間 16:00-0:00
湯上りの感想
規模・座席数 芸術的な外観を誇る町屋銭湯、8席+カランのみ6席(うち島カラン4席)。
湯船の配置 奧にL字型に並ぶ、男女壁側から手前から深風呂、浅風呂とジェットの複合風呂、電気風呂、薬用泡風呂。
水風呂 手前男女壁側に四半円形型の浴槽、ライオン。
ジェット風呂 浅風呂にゆるいの2基あり。
電気風呂 ドクドク型、弱め。
薬用泡風呂 結構熱め
印象

2000年10月

簾が印象的な町屋建築堺町四条は長い間、西が野村証券、東が山一証券だったが、山一が倒産してからメリルリンチ証券に取って代わられた。その四条通から少し上がったところにある錦湯は、四条通の喧噪がうそのような落ち着いたたたずまいの町屋建築。


三条通から下がって歩いていくのも楽しい。高田渡が「三条へ行かなくちゃ、三条堺町のイノダへね」と歌った有名なイノダコーヒーで休憩するのもいい。堺町通には町屋を再利用したようなお洒落な飲食店がたくさんある。昔は材木商が多かったそうだが。

店前の自転車の駐輪スペースは石敷き、のれんは石けん会社の支給でなく染め上げたもの、内側の光が漏れると幻想的になる親子格子か吹寄の風情あるガラス窓。二階三階はすだれで目隠し。外観は町屋銭湯として申し分ない完璧さ、ご主人がイベント好きでいろいろな催しを開催してるせいか、イベントポスターが張られていることも多い。


男湯は右側、のれんをくぐると土間たたきなのは、麩屋町蛸薬師の明治湯と同じ、レトロ系。土間の隅から今はあまり使われてなさそうな二階に上がる階段がのびているが途中で小さな踊り場があるのは本当に珍しい。番台は花瓶を置いたり物置に使っており、ご主人がその前で迎えてくれる。脱衣場は格天井、木製オシドリロッカー、錦市場が近いからか屋号入りの柳行李、レトロマニアには土間の上の剥き出しの配線とブレーカーがたまらないとか。


とてもゆっくり時間が流れる脱衣場での一時は豊富な雑誌を見て過ごす。アトランダムな本揃え。ターザンやテニス雑誌まで幅広いので退屈しない。とはいえ、ものさびたレトロさを楽しむのではなくではなく、陽気なご主人を中心に話の花を咲かせていることが多い。体重計は寺岡式、壁には指名手配のポスター、うん? 少し日に焼けているのは例の「キツネ目の男」じゃないか、きっとネタに違いない(笑)


浴室入口の上部は連子が入った珍しい形。浴室前スペースは段差は小さいが3段差でガラス戸回りの壁は小豆色のモザイクタイル張り。浴室は奥が浴槽スペース。なかなか熱めの湯で「お湯を楽しむ」という入り方。白タイル基調の壁、浴槽枠は緑のレンガ調タイル、床は茶系統、天井の湯気抜きが大きいタイプ。浴室が奥に長い銭湯が多いが、錦湯さんは正方形、外観から分かるように比較的横に広い造りになっている。