蛭子湯の入浴記

所在地・交通 中京区壬生下溝町51-1
休日 火曜日
営業時間 15:00-1:00

印象・規模 アットホームな下町銭湯。男女壁に沿って浴槽群、カラン10席にシャワーなし4、島カランが左右合わせて10席。
湯船・お湯 男女壁に沿って、浅風呂に泡風呂の複合、中央に出張る形で深風呂、電気風呂、薬用ネオンジェット、奧にサウナ、水風呂。
サウナ 浴室中央奧にレンガ調サウナが出張る、5人程度、演歌。スポンジマットを敷くタイプ。
水風呂 サウナの横、打たせ付き。
薬用ネオンジェット風呂 ジェット3基を備えた浴槽はネオンでバスクリンとぜいたく。
泡風呂 浅風呂に。
電気風呂 ジーンタイプ、強め。

感想 2004年7月日曜日の22時


アーケード代わりに可動テントが通りを覆っている西新道商店街、夜に自転車で通り抜けるとところどころテントを閉じたすき間から月が顔を出す風情。そこから少し西へ入ったところにある蛭子湯。

右隣にほこら、向かいが理髪店の銭湯立地。一般的な京都の銭湯に比べると横に広い建物はゴツゴツ石積風のブロックレンガに囲まれ、テント屋根の突き出しに牛乳石鹸ののれんがかかっている。浴槽設備が書かれた縦長の看板。


自転車は左横のガレージに置いて、のれんをくぐり玄関スペース、左が男湯だ。引き戸を開けると待ちかまえたように番号入りの柳行李を用意した奥さんが「おいでやす」。友だちに聞いたところでは女湯ではマイサウナマットも用意してくれる至れり尽くせりぶりらしい。家族総出で番台を切り盛りしているのか、私が入っているうちに奥さん、ご主人、娘さん?と入れ替わっていた。


男の脱衣場の手前側にはテーブルがあって新聞が数紙、京都新聞に日刊スポーツに・・、お、大スポがある! 黒招き猫、オシドリのロッカーに電子体重計、その前には以前使っていたであろう寺岡式敏感自動秤の目盛板が飾ってある。敏感な秤ってナイスなネーミング、激しく乗らないで敏感なんだから、いやん。常連度の高さを物語る置き桶ロッカーの多さも特徴的。


広くて2段差の浴室前スペースは天井に和風の庇、ガラス張りで開放的。浴室に入ると脱衣場と浴室を隔てるガラスの下にもカランがある。珍しい、今日はここで体を洗おう。ひげをそりながら脱衣場を真ん前に眺める、たまに脱衣場にいる人と目が合うこの感覚、きっと脱衣場側から見ても奇妙なんだろう。コーナー壁に丸みを持たせて浴槽がないところにはズラリとカランを並べている。外観から横に広い銭湯だなと思ったが、大天井だけでなく柱を立て別屋根をつけて浴室を広くとっている。男女壁は藤棚の模様、反対側の壁はグレーに白のうわぐすりスプレードな焼き物風タイル。浴槽枠は赤御影、浴槽側面の下から茶→ピンクに徐々に変わっていくモザイクタイルがキッチュなのだ。浅風呂と深風呂との間にはリンゴ型の噴水があり、子供が遊んでいたら噴水がリンゴ型に戻らなくなってしまって焦っていた。坊や、そのうち戻るさって、女の子だったけど。


ちょっと女湯情報。女湯は桶とイスが浴室前スペースにだけあり、体を洗い終わったらすぐに返しに行くのが礼儀だとか。そのイスは木製、脱衣場の柳行李には屋号か名字入り、赤ちゃんベッドは4つもあるらしい。


300メートル圏内にあと2軒の銭湯があり、JR線路を越えたらスーパー銭湯の壬生やまとの湯がある、激戦区中の激戦区。しかし、蛭子湯のアットホームな雰囲気にはなんとなく通いつづけてしまう魅力がある。がんばれ!