旭湯の入浴記

所在地・交通 唐橋羅城門町21(市バス九条七本松下車徒歩2分)
休日 月曜日
営業時間 14:00-0:00(日祝8:00-0:00)

印象・規模 クアハウス的ビル銭湯、サウナスペースが充実。カランは浴室手前に左右対称の櫛形で並んでおり18席、奧に4×2の8席があり、計26席と大規模。カランの鏡は自分の裸がすっぽり映る大きなもの。
湯船・お湯 カランの奧に左右対称で2つの複合風呂が並んでいる。右が電気と深風呂で左が泡風呂と浅風呂、左は薬用風呂でもある。
サウナ 最大15人ほどの大きなもの、テレビ付き。オリンピアサウナ。
水風呂 左右約5メートル、まるでプールの大型水風呂、肩を刺激する強力打たせ水と小さめの打たせ水がある。
ジェット風呂 周囲の床まで赤御影を使った丸型浴槽があり、4つの穴から中心に向かってジェット噴射。
泡寝風呂 冷水管枕付き、兼薬用風呂。
電気風呂 スタンダード。
露天風呂 浴室入口近くに露天風呂へ通じる道がある、大きめ。いわゆる男女壁は、男女の露天風呂を隔てるところにある。

感想 2004年6月


九条病院がある九条新千本の一筋西の通りを下がったところにある旭湯。近くは住宅や工場が混在している地域だったが、最近はそれにマンションや駐車場が加わるようになった。

訪れたのは23時を回っていたが、旭湯の横と道路を隔てたところにある駐車スペースは満杯である。看板には旭湯と共に「ビリヤード旭」、2階はビリヤード店なっている。旭湯の特徴は脱衣場にたどり着くまで3段階の「くぐり」があるところ。まず建物に入るとき自動ドアをくぐる。履き物をロッカー(鶴亀パテント)に入れ、ロビー休憩コーナーをやり過ごすと男女別に別れる扉があるので、右の扉(男湯)をくぐるとそこにフロントのような番台のようなスペースがある。脱衣場が見えないことや規模的にはフロントなのだが、男女別ということでは番台的である、とにもかくにも一つの「部屋」になっているそのスペースでお金を払って、さらに扉をくぐると脱衣場なのだ。初めてだととまどうが、慣れると楽しくなってくる造りだ。

脱衣場はロッカーがずらっと並んで、規模的にはスーパー銭湯なのだが、中央にある一畳の箱形床几、籐ムシロ、籐かご、それに置きロッカーがあるというのが普段使いの京都の銭湯らしい。スーパー銭湯と普通の銭湯の違いというのはこの「置きロッカー」があるかないかが大きい。


浴室前のスペースもユニークで、扉が二つあり、入口と出口が分かれている。特にどちらが入口だと書かれてないが、トイレに近い方が入口、湯上がりにタオルを洗ったりするカランがある方が出口なんだろう。浴室にはいるとまず左右櫛状にたっぷりスペースのカラン、上に球型照明が付いている神殿風円柱が左右対称に3本づつ立っているのがアクセントだ。ギリシア(ローマ)人の気分でカランスペースを抜けると左右に同じ規模の複合風呂、その奧に円型のジェット風呂が鎮座する。カランや複合風呂がすべて円型のジェット風呂に集約されるように左右対称になっている感じで空間的に面白みがある。


その円型ジェット風呂の奧に仕切られた形でサウナと水風呂スペースがある。大きめの人工石ベンチがあり、カランの喧噪を離れ、「サウナ、水風呂、休憩」を繰り返すクアハウス的な使い方ができる。

サウナと水風呂を繰り返したのでゆっくり入る暇がなかったのだが、浴室入口から露天風呂に抜ける道がある。けっこう大きい露天風呂でそこが男女壁で仕切り、男女合わせて半球型の浴室の真ん中を露天風呂でくり抜いて仕切っている感じだ。夏季は露天には人があまりいないので、浴槽に浸かっているとその斬新なレイアウトといい非常に不思議な空間を味わうことができる。


シャワービックスと水シャワーを上がり湯の代わりにして浴室を出る。体重計の前には大きな姿見があり、裸を映す。そういえばカランの大きな鏡といい、この姿見といい、今日はよく自分の裸に会ったぞ。銭湯の魅力の一つは、大きな鏡を見られることだ。自分の裸を見ることで時にドキリ、なかなか、よしよし、ガックリ、それぞれの悲喜こもごも。


ロビーの奧にはゲームコーナーがあり、なかなか充実している。「入浴しないものはゲームすべからず」の旨、張り紙があるのでゲームだけの客も多いのだろうか。親に小遣いもらって風呂屋に行ってゲームして風呂には入らず、なんてのも面白いじゃない。