金閣湯の入浴記

所在地 紫野郷ノ上町41-6(千本鞍馬口西入ル・市バス千本鞍馬口)
休日 金曜日
営業時間 15:00-22:00
湯上りの感想
規模・座席数 富士山のタイル絵が鮮やか銭湯、11席+カランのみ1席。
普通の湯船 男女壁沿いに手前から浅い湯船、深い湯船、ジェット泡と並ぶ。湯は熱め。
サウナ 浴室奥、4名程度であるがくの字型のベンチは広々設計。90度、BGMはなし。
水風呂 外気によると思うが、最強に冷たかった。サウナの近くでなく脱衣場側にある。8月に行った知人が冷たくなかったと言っていたので、外気次第なんだろう。
ジェット風呂 2基あり、泡風呂兼。
電気風呂 浴室一番奥、普通なら水風呂があるスペースだがなぜか電気。固まるが不規則、強め。
薬用泡風呂 バスクリン風呂、浴室奥、メロンジュースのような鮮やかな緑だった、ぬるめ。
印象 金閣湯の玄関2001年1月
鞍馬口通は千本通から西になるとズリッと北にカーブする。300メートルほど行くと金閣湯の看板。それほど金閣寺に近くないのになんで金閣湯なの?と疑問だったのだが、この金閣湯を過ぎ鞍馬口通をさらに進んでいくと金閣寺の前にぴったり着いたので「なるほど」と納得した。
この鞍馬口通、金閣寺の門前道という性格も持っているのか、それであんなにカーブしてまで金閣寺に着くんだね。

私はいつも大体夜10時過ぎてから銭湯探しを始めるのだが、金閣湯はいつも営業してないのである。ああ、これはもう休廃業してるんだな、残念!とずっと思っていたら、営業時間が夜10時までだったんですね。なーんだ、心配して損した、と今日は気合いを入れて夜9時に暖簾をくぐる。

外観はモルタルの愛想無しの建物で中身はガレージのような造り、中に入ってあれっと気付くのだが、家の中にもう一軒家が入っているという感じで玄関があり、そこに暖簾が掛かっている。どおりで外から見たら暖簾も掛かってないし、いつも営業してないように見えるんだ。

男湯は左。脱衣場は格天井を薄い黄緑色のペンキで塗った天井が印象的。殺風景な脱衣場だが、浴室前の上部のツルが羽ばたいている壁紙や、ANSONIA・USAの壁掛け時計が現役で動いてるところなど目を楽しませてくれる。ロッカーはキング。

浴室は、男女壁に沿って浴槽群、向かいの壁にカラン群。サウナの隣に水風呂でなく電気風呂があるのが何とも不思議。床は小豆とグレー、浴室枠もタイル。
さて、湯船に浸かってゆっくり・・、その時目に飛び込んできたのは壁一面に書かれた富士山のペンキ絵、これは珍しい!!ちょっと大味な筆遣いながらこれだけの規模のタイル絵は京都で初めて見た。女湯にも同じペンキ絵があるそうだ。
富士山を中央に前面は海、右側は林、左側は街道の風景、・・?なんか見慣れた風景。
気になって浮世絵の風景画でメジャーなモノを調べてみたが、どうやら有名な構図をいくつか「エエトコ取り」した感じだ。全体的には富岳三十六景をモチーフにしているみたい。

22時までの営業だが、常連さんは21時40分までに「おおきに〜」って帰っていく。22時にはもう浴室の掃除が始まっていると覚悟した方がいい。何事も早め早めが肝心。

金閣湯を西に少し行くと天神川があって付近は土居町という町名が多い。近世初期には豊臣秀吉が造った御土居がずっと続いていたのだ。近世中期になると段々壊されていったらしいがいまでも「史跡御土居」として碑が建っていたりする。
近代においては景気が良かった西陣という一大産業地を背景に住宅がたくさん造られたらしく、土台にレンガを使ったレトロな近代建築がいまでも現役で活躍している姿が見られる。天神川の氾濫に備えて土台が高いのも特徴。