所在地・交通 |
寺之内千本西入ル柏清盛町957 |
休日 |
金曜日・第3日曜日 |
営業時間 |
16:00-23:00 |
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印象・規模 |
西陣の路地に息づく庶民派銭湯。カラン8+シャワーなし4+島カラン2席。 |
湯船・お湯 |
男女壁沿いに手前に浅いジェット風呂、奧に深い白湯。湯温はふつう。女神さん。 |
水風呂 |
脱衣場側に突き出た形でつけられています。1.5センチ四方の細かいタイル使いの壁に囲まれた束の間の静寂。中京の芋松温泉にもあったが、水風呂の外に溢れ出た水が流れ出ないように囲いをしている細やかな気遣い。 |
ジェット風呂 |
浅い湯船、ジェットが2基。「超音波(ジェットスーパー)」とあり、スーパージェットではないのが味噌。 |
薬用泡風呂 |
浴室奧にあります。温めの湯でゆっくり入れます。今日は緑色。 |
電気風呂 |
ライオンの口。奧の電気板はきつめ、手前の板は弱め、という感じです。 |
感想 |
2001年10月
この柏湯さん、数ヶ月前まで休業していらっしゃった様子です。これまでも何度か店の前まで行ったのですが、休業しているのか定休日なだけなのかわからないが閉まっていたので、私の中では「幻の銭湯」扱いでした。
だから今日、店の明かりとのれんを見たときは嬉しくてドキドキしました。
千本通の西にある「なるかみ」というラーメン屋の角を西に入り突き当たりのようなところを下ルと柏湯さんです。付近には織物屋が多く、昼間にはバッタンバッタンガチャンガチャンと織機の音が聞こえてくる西陣の町でもあります。
向かいの家には祠が備え付けられており、風呂上がりにふと手を合わせたくなります。
ちょうど夜20時頃でしたか、細い路地を一杯にして、豆腐屋の大八車がチリンチリン鳴らしながら銭湯の前を横切っていきました。
男女別に別れたのれんをくぐると玄関は非常に横長になっています。床は不規則な丸タイル敷き(私の実家の浴室の床タイルと同じ型なので個人的には懐かしさを感じるのです)。下駄箱はPATENT鶴亀です。
番台でお金を払うとご主人がカゴを適当な位置に用意してくれています。京都の昔からの銭湯ではこのサービスがいまだに健在です。
高い天井、男女壁に貼られた映画のポスターが印象的です。大阪の南の銭湯には映画のポスターが多いのですが、京都では珍しいですね。ポスターは大体、河原町か京極のモノでした。柏湯さんの最寄りの映画館といえば、シネフレンズ西陣、千本日活なのでしょうが、ゲイ、ポルノはやはりまずいのでしょうか(笑)
さて、浴室前は段々に高くなっていくスペースがあります。その横に勝手口があって店の方が出入りする戸があるのですが「犬に注意」の由、書かれています。普段は大人しいのですが、店の前を不審にウロウロすると吠えられます。
浴室天井は水色、縁が6色のタイルで彩られています。大体色遣いとすれば伝統芸能で使われる五色幕の雰囲気ににています、色数は違いますが。床は茶系統のタイル。
奧の壁には風景のタイル絵が描かれています。ラーメン鉢の中華模様?に縁取られたその絵は1955年に描かれたと署名がしております。背景の山から煙がでていますが、何処の風景なのでしょうか。
桶、椅子とも少な目なので、今日は床にペタンと座って身体を洗う。私が入ってる間に数人が出入りしたので、結構長湯になってしまったのでしょうか。湯と水の往復ですっかり暖まりました。
湯船に浸かって眺めていると、タイルの縁取りに特徴があるようです。何の変哲もない白地タイルにちょっとした縁取りを加えることによって華やかな雰囲気になります。桶は京都府浴場組合印の白ケロリン、です。
湯上がりにはスポーツ紙、週刊新潮、BE-PALが読めます。
なかなか地元の人以外には知られてない銭湯です。初めての人はたどり着けない可能性大です。しかし、千本通の喧噪から少し入るとこんなに長閑でしかも着実な生活時間の流れがあるというのはなかなかに感動的なモノだと思います。
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