団栗湯の入浴記

所在地・交通 東山区新道通団栗下ル博多町104
休日 金曜日
営業時間 15:00-1:30

印象・規模 祇園の隠れ家的銭湯。番台式だが玄関にロビーあり、男湯左側、カランは15席。
湯船・お湯 男女壁沿いに薬用泡風呂、浅風呂兼ジェット風呂、深風呂、電気風呂、水風呂。奧にサウナ。
サウナ 7人程度、BGMはJ-POP
水風呂 ライオン。
ジェット風呂 浅風呂奧に2基あり。
薬用泡風呂
電気風呂 ジーン型、強め。

感想

2004年9月 月曜日0時

京阪四条を下がると祇園風情。鴨川にかかる一つ目の橋が団栗(どんぐり)橋で、この交差点を東に2筋入り南に下がると団栗湯の「ミネラル温浴泉」の看板が見える。ユニークな名前で知られているラブホテル「・・・というわけで」「黄色いクジラ」の裏側、と言ったら「ああ、あそこか」と納得する方も多いかと。この団栗橋という地名は年配の男性には色めいた印象があるらしく思い出話によく出る。

木造建築の上にところどころに趣向が凝らされたモザイクタイルをかぶせた外観は新しい。自動ドアを開けると玄関スペースなのだが、そこにソファーが並べてありロビーになっている。番台との会話はできないが待ち合わせには重宝するだろう。下足を見ると下駄と雪駄がほとんど、ここらへんが祇園らしい。引き戸を開けて番台。スッキリとした新しめの脱衣場で、唯一気になるアイテムは番台の上の神棚。これが小さなかわいらしい立ち弁天さん。天井には8本の蛍光灯を長方形に並べた照明、オシドリロッカー、背の高いヤマトの体重計、各種スポーツ紙。中央と番台から目隠しされた手前のスペースにそれぞれベンチがありくつろげる。客層は年配層と若年層2つに分かれており、昔からの地の人と近所の料理屋の板前さん。仕込みが終わって開店まで間がある夕方と店が終わった深夜は若い人も多い。

浴室前スペースは1段差、浴室からカランスペースが突き出して、その部分はガラスブロック張り、浴室前上部の小振りのタイルも感じがよい。浴室は手前から奧にかけての天井アーチ。白天井に白ベースのパステル模様壁、床はベージュの暖色、浴槽枠とカラン台は赤御影。きれいスッキリに改装された浴室の男女壁沿いに丸みをおびた形でそれぞれの浴槽が配置され、上から見るとちょうど花びらのようなユニークさ。

脱衣場に出張ったカランスペースには立ちシャワーと半円の上がり湯槽。上がり湯は大阪の銭湯には必需品だが、京都の銭湯には珍しい。中身は水だった。湯上がりはベンチでゆっくり。奥さんが履き物をそろえたり、足の不自由なお客を支えに浴室まで入ってきたりよく気がつかれて、全体に活気がある。テレビではプロ野球の合併問題、「ストライキやって今年のペナントは帳消し。阪神が優勝せえへん年は途中でストライキしてはよ終わらせよ」と常連さん。阪神ファンの自虐的なまでの応援ッぷりはステキだ。おしゃれな町の銭湯はおしゃれなところが多い。浴室タイルなどの趣向も花街らしい落ち着いたおしゃれ、それに屋号の書かれた柳行李に舞妓さんのうちわなどのアイテムが華を添える。