丹波橋温泉の入浴記

所在地 海老屋1015
休日 土曜日
営業時間 15:00-0:00
湯上りの感想
規模・座席数 酒蔵町の銭湯、芸者さんの絵が風情。10席+シャワー無し2席。全て備長炭の炭湯。美人の湯。
普通の湯船 深い湯船、浅い湯船、湯の温度は熱め。
サウナ 4名程度、公称120度(温度計がね)、BGMは無し。スチームサウナ的な内装。
水風呂
薬用岩ジェット 浴室一角に岩風呂風浴槽が。年季が入って黒ずんでいる岩が落ち着く。入浴剤入りで、ジェットも2基あり。
電気風呂 細かい周波で固まる、時々フェイントでゆるむ、ありそうでない、珍しい感触。
印象 2000年11月
大阪から京都へは京阪電車を使うことが多い。大阪のヒガシ・京橋から京都のヒガシヤマ・七条までのノンストップ特急があるのが魅力的で大学4年間の通学に使わせてもらった。その青春の特急が今年になって中書島と丹波橋に途中停車することになった。これまでの特急愛好者はいっせいに文句を言ったわけであるが、怒っていても仕方ない、有効に使おう、と思いなおして、今日は丹波橋駅で下車。
この桃山・丹波橋付近はJRと近鉄と京阪が線路を寄せ合う鉄道激戦区。つまり鉄道敷設華やかなりし頃大いに栄えていたということになる。近世には伏見桃山城の城下町、また伏見の酒造町として栄え、近代に入ってからは明治天皇伏見桃山陵のお膝元として修学旅行スポット、加えて陸軍第16師団城下町としての栄光の歴史。鉄道会社はこぞって鉄道を敷いた。その頃と比べると現在は活気がなくなったと言えるが、いまだに妖しい光を放っている町である。
丹波橋駅北口を出て丹波橋通左に進路をとる(右の上り坂を登ると伏見桃山城である)。一方通行が多い昔からの町並みである。通の名前も京町通とか両替通とか昔ながらのものが多い。また町名から線路から東は羽柴長吉町、福島太夫町など城下町が、西は銀座町、桝形町など商業地が広がっていたことが分かる。
さてずっと丹波橋通を西に行くと濠川という東高瀬川の分流を渡ることになる。川に沿って酒造会社が立ち並ぶ。戦後いち早く添加物てんこ盛りの三増酒を廃止し、日本酒本来の純米酒を復活させた蔵元、玉乃光も近く。
丹波橋公設市場を通り過ぎると丹波橋温泉の看板が。隣は理髪店。

外観暖簾の横に電光掲示板があって定休日、営業時間をお知らせ、銭湯自体はレトロな感じなのにここだけハイテク、でも新規の客開拓のためには必要です。
玄関の下駄箱が木製のレトロタイプで、浴室と同じタイルを玄関にも使用、ああ、お風呂やさんだなあ。
開けると鈴が鳴るよう工夫している引き戸の向こうは番台式の脱衣場。おばちゃんが切り盛りしているので番台の男湯側にカーテンが引いてあっておばちゃんは普段、女側の方にいる。たぶん冷蔵庫とかも女側が充実しているのでしょう。入って「こんばんは」と声を掛けるとおばちゃんが出てきてくれる。
気さくな人です。

脱衣場はレトロなんだが、天井が高いといった伝統的銭湯でなく、昭和中期の趣。男女壁の上に鎮座している今はもう動かない壁掛け時計は高級です。
磨りガラスをはめ込んだ木製ロッカーの上には常連さんの桶がたくさん並んでいて壮観。入口方向に小さな休憩スペースがあり、漫画雑誌数誌、「静かなるドン」全巻が読める。その付近に神棚。
また舞妓さん、いや芸子さんぐらいかな、の絵が数枚飾ってあって脱衣場の雰囲気を華やかにしています。スケッチ調の淡い色使いがいいです。
浴室入口の洗面スペースはタイルの色使いがカラフル、浴室は男女壁に沿って湯船、反対側の壁に沿ってカラン。サウナは脱衣場が見渡せる窓がついている。
白湯の湯船は熱めなんで、みんな岩風呂と電気風呂にゆったり浸かっている人が多いが、私は浅い湯船で体暖めてからサウナへ。皮膚がほんのり赤くなるくらいが冬にはたまらん。
湯船に浸かって浴室内を眺める。床は茶系統の色使い、壁は白タイル、天井は丸みのあるアーチ状。おいおい、サウナの後は汗を流して水風呂はいってね。伏見の男はみな寡黙にワイルドな行動をする。そういえば浴室の会話が全然ないなぁ、反対に女湯はとても姦しいのに。
ちょっとしたところがユニークないいお風呂やさんである。

更新2001/05/31
メールで情報をいただきました。
番台はおばちゃん、おばあちゃん、お姉ちゃんの3人が交替でいるようです。みなさん、話すと楽しい方らしい、さあ、丹波橋温泉に行こう!
丹波橋温泉の湯は全て備長炭の炭湯。美人の湯だそうです。