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homo ludens
この言葉は、日本語にすると「遊戯的人間」とでもいえるだろうか。
オランダの歴史家ヨハン・ホイジンガ(Johan
Huizinga, 1872-1945)の著書の題名である。
ホイジンガは著書「ホモ・ルーデンス」(1938)の中で、「遊ぶ」という一見不真面目に見られる行為が、考えられているより真面目な機能を果たしていて、人間文化の本質と密接に関わりあっている、という問題提起をした。
文化は単に物質的必要だけで出来るものではなく、功利的関心よりは美的憧れによって文化形式は生み出される、というのがホイジンガの考えであって、「遊び」は文化の本質であるといっている。
ホイジンガ曰く、「遊び」の形式的特徴は
- 第一に自由な行為である
- 生活要求の直接的達成とは別の手段による利益度返しの高級世界である
- 場所的・時間的に限定されている
- 遊びは秩序を創造し、全ての遊びがそれぞれの規則を持っており、規則が犯されるや否や遊びの世界は崩壊する
- 別人化の特徴と秘密主義
であるらしい。
この「遊び」の形式的特徴、というのを「インターネットのウェブサイト」の形式的特徴、に置き換えても、十分に意味は通じるし、それどころか「ネット上」というバーチャルな世界っていうのは、ホイジンガのいう「遊び」そのもの、のような気がするのである。
河出書房「ホイジンガ選集」の訳者・里見元一郎氏はこう述べている。
ホイジンガの遊びは倫理的厳粛さを伴ってフェアーで正直でなければならず、形式は美的なものであり、それ自体稚びやかで、一見馬鹿げて見えるが、ほのぼのとして、リズムと調和がとれている。そうしたものがあってこそ、この中から文化は生まれてくる。その意味で遊びは文化に不可欠なのだ。しかし遊びが過ぎれば文化はかえってその活力を失い頽廃してしまう。
文化を真に文化たらしめる遊びを我々は大切にしていかなければならない。そこにホイジンガの願いと我々の願いが共存している。
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