海酸漿を出てホテルに戻り、土曜の夜限定の金沢ライトアップバスに乗り込んで土砂降りの中、ひがし茶屋街などを見て歩く。もうなんというか水責め、拷問で靴の中びしょびしょ。片町で降りて念願のお茶漬け「志な野」に入る。
店主が「ヤッホー」しか言わないと一部では超有名なお茶漬け屋で、5年以上前から金沢に行く機会ごとに訪れるのだがいつも閉まっており(お盆休み?)、店が開いているのを見るのは初めてでちょっと緊張する。ちょうど開店直後の21時半にその日初めての客として入って他に誰もいないので勝手が分からない。う~ん、先達はあらまほしきことなり。席に着く前に「ヤッホー」とあいさつすべきかどうか迷っていたら奥さんが「ヤッホー、いらっしゃい」と声をかけてくれた。あれ、日本語も通じるのか、それならとおそるおそる「ビールください、・・・ヤッホー」と消え入りそうな声でまず第一ヤッホー。
どうして注文したらいいものかと思案していると「お茶漬け二つね、ヤホー」とすでに作りはじめている。そういえば、志な野茶漬け730円以外を注文する人はいないと前情報では聞いていた。奥さんは「ヤホー、ヤホー」と言ってくれるのだが、主人は終始無言。きっと店に入ってきたときに元気よくヤッホーと言わなかったから嫌われたのだと落ち込んでいるといきなり大声で「ヤホ!!」と叫んできた。怒鳴りつけると言った方がいいのか、暴力的な接客である。10分もすると他の客がぞろぞろと入ってきたので様子をうかがっていると茶漬けが用意できるとその合図として店主が怒鳴りつけるようだ。
皿に漬け物や梅干し、焼きシャケ、ゴリの佃煮など並んでおり、それをご飯の上に置いて客がおのおのダシをかけて食べる。一杯の量は少ないのでお代わりをするのだが、その際は茶碗をつきだし「ヤホー」と言えばご飯を寄せてくれる。私は6杯でお腹いっぱいになったが過去最高記録は24杯だと張り紙がしてあった。ちなみに発音は「ヤッホー」ではなく「ヤホー」もしくは「ヤホ」だ、あの山に向かってせーのってな牧歌的なノリではなく、もっと殺伐としている。何杯かお代わりしているうちにヤホになれてくるのだが、やっぱり茶漬け屋は飲んでできあがってから行くべきである。
金沢21世紀美術館を後にしての夕食は近江町市場の天ぷら専門店・