‘中国から’ カテゴリーのアーカイブ

中国の優しさ

2006年3月15日 水曜日

このコラムを読むと中国がとんでもない国のように思えてくるが、その実とんでもない国である。とにかく大きくすべてがそろっている。別の言い方をすれば格差が激しく、上から下まで何でもありだ。貧富の差も激しいが、それを制度で解決しようとせず、個々人の施しでまかなおうとしている。私は旅行中、物乞いを見ても一切お金を施さなかったが、中国人は気軽にお金をあげていた。あるとき、19歳の美人にさとされたことがある。「あの人たちはかわいそうだから、私たちが面倒見てあげないと。私は心が優しいから施してあげるの、あなたも心を広く持ちなさい」。

どちらが社会主義の国だか分からない。日本も以前は物乞いが多くいたが社会保障制度ですくい上げた。人々は制度によって最低限の生活を保障されるべきで、施しは良くないことだという考えも浸透している。中国(おそらく世界の大多数の国で当てはまる)では正反対、貧乏人は金持ちに施してもらうべきという考えがある。日本でごく少数存在する物乞いは本当に申し訳なさそうになりわうが、中国の物乞いはごく当然の権利を主張するように手を差し出す。余裕のある人はごく自然にその手に小銭を持たせる。それで世の中が回っているのだ。

【写真はラサの物乞い。この町は物乞いの数が多いので工夫を凝らしたパフォーマンスで人目を引くことも大切】

中国の安全第一

2006年3月14日 火曜日

北京オリンピックに向けて槌音響く北京、下町の風景もここ数年でがらりと変わっている。どこもかしこも工事中だが、その工事風景は日本では考えられないほどワイルドだ。近年、日本の都心部ではマンションの建設ラッシュだが現場はパネルなどで覆われて実際の施工風景を見る機会は少ない。対照的に北京の繁華街のど真ん中でもうもうと土煙を上げて解体工事を進め、放水しているさまはなかなか見応えがある。

通りを歩く人は口に手を当て、現場を抜け出したあとで服を払っている。道路舗装工事を昼間の人通りが多い時間に囲いも警備員もなしにやるものだから、まだローラーをかけていないアスファルトの灼熱地獄を通行人がどんどんと踏み固めていく。たまにつまずいてヤケドした人が作業員と怒鳴りあっている。こうなると工事環境がどうのという問題を超えて「北京の工事現場」は、“日本ではもう見られない”的な観光資源になるのではないかと思えてくる。北京っ子はたくましくなるはずだ。

【写真:北京の繁華街・大柵欄にがれきの山】