Archive for the ‘中国から’ Category

中国で出会った韓国

金曜日, 3月 17th, 2006

今日の昼食は大阪東郵便局の東隣、韓国家庭料理「名月」で恐ろしく辛いがすこぶるうまい水豆腐定食を食べた。店のテレビで野球のWBCで日本がかろうじて準決勝進出を決めたことを知った。予選で2度も1点差の接戦を演じた韓国と3たび戦うことになる、楽しみだ。

先に準決勝進出を決めた韓国の選手11人はその功績により兵役が免除されることが決まった。韓国選手のモチベーションが段違いに高いのも当然だ。社会生活に2年以上のブランクをもたらす徴兵制はタイトな国際競争で勝ち抜かなくてはならない韓国の若者にとってマイナス面が大きい。

中国旅行で出会い3週間ほど寝食を共にした韓国の大学生2人のうち1人は幸運にも兵役を免除されていた。彼らは韓国トップの学力を誇るソウル大学の学生。政府が認定した企業で技術者として一定期間働くことで兵役に代えられる優遇制度があるというのだ。エリートの20代前半を軍隊で浪費させるのではなく専門分野をのばすことに費やすのは国益にかなう。兵役を免除された若者もエリートの自覚を持って働くことができるだろう。兵役に就かなければならない1人(それでも英語ペラペラのエリートなのだが)はその前に自由なことをしたいと僻地を旅しているのだ。

彼らとはラサの韓国料理屋によく通った。2人は辛いものを「ホット」ではなく「クール」と表現していた。汗をかいてスーッと涼しくなるからだそうだ。

【写真はカイラス山巡礼の一コマ。秘境といえども老年の西洋人ツアー客が増えてきたので、写真のように荷物を運ぶビジネスも盛況。偶然、バス停で知り合った韓国人2人と日本人2人でまわった】

中国の建物

木曜日, 3月 16th, 2006

コラムの内容を少しでも建設に近づける努力をしてみよう。上海あたりの大都市になると立派な高層ビルがあってエレベーター内にテレビがあったり(中国人はテレビが好きだ、地下鉄のホームにまでテレビを設置している)、そこまでやらなくても思うほどハイテクなのだが、地方都市に行くと素人目に見ても建物がどれも「張りぼて」なのだ。旅行中、約3週間行動を共にした日本人が一級建築士で「いやーおもしろい。日本だったらどれも審査を通らないよ」と妙に感心していた。

中国の建物で好きな光景が工事中のビルで見られる竹組みの足場。中層ビルまでならすべての足場が竹組みなのは、香港アクション映画でもおなじみだ。竹が採れない内陸部の工事現場ではどうだったろうか、忘れてしまった。1日バスに揺られると、乾燥地帯から温暖湿潤地帯をまたぐことがある。住宅が土づくりから木造住宅へ、ひとつ村を隔てただけで建て方が変わる瞬間があって旅情をかき立てる。

中国の優しさ

水曜日, 3月 15th, 2006

このコラムを読むと中国がとんでもない国のように思えてくるが、その実とんでもない国である。とにかく大きくすべてがそろっている。別の言い方をすれば格差が激しく、上から下まで何でもありだ。貧富の差も激しいが、それを制度で解決しようとせず、個々人の施しでまかなおうとしている。私は旅行中、物乞いを見ても一切お金を施さなかったが、中国人は気軽にお金をあげていた。あるとき、19歳の美人にさとされたことがある。「あの人たちはかわいそうだから、私たちが面倒見てあげないと。私は心が優しいから施してあげるの、あなたも心を広く持ちなさい」。

どちらが社会主義の国だか分からない。日本も以前は物乞いが多くいたが社会保障制度ですくい上げた。人々は制度によって最低限の生活を保障されるべきで、施しは良くないことだという考えも浸透している。中国(おそらく世界の大多数の国で当てはまる)では正反対、貧乏人は金持ちに施してもらうべきという考えがある。日本でごく少数存在する物乞いは本当に申し訳なさそうになりわうが、中国の物乞いはごく当然の権利を主張するように手を差し出す。余裕のある人はごく自然にその手に小銭を持たせる。それで世の中が回っているのだ。

【写真はラサの物乞い。この町は物乞いの数が多いので工夫を凝らしたパフォーマンスで人目を引くことも大切】

中国の安全第一

火曜日, 3月 14th, 2006

北京オリンピックに向けて槌音響く北京、下町の風景もここ数年でがらりと変わっている。どこもかしこも工事中だが、その工事風景は日本では考えられないほどワイルドだ。近年、日本の都心部ではマンションの建設ラッシュだが現場はパネルなどで覆われて実際の施工風景を見る機会は少ない。対照的に北京の繁華街のど真ん中でもうもうと土煙を上げて解体工事を進め、放水しているさまはなかなか見応えがある。

通りを歩く人は口に手を当て、現場を抜け出したあとで服を払っている。道路舗装工事を昼間の人通りが多い時間に囲いも警備員もなしにやるものだから、まだローラーをかけていないアスファルトの灼熱地獄を通行人がどんどんと踏み固めていく。たまにつまずいてヤケドした人が作業員と怒鳴りあっている。こうなると工事環境がどうのという問題を超えて「北京の工事現場」は、“日本ではもう見られない”的な観光資源になるのではないかと思えてくる。北京っ子はたくましくなるはずだ。

【写真:北京の繁華街・大柵欄にがれきの山】

中国のトイレ

月曜日, 3月 13th, 2006

中国を旅行して一番困るのはトイレではないだろうか。個室があるのは一部のホテルや観光地だけで、公衆トイレは便器ごとの仕切りがない。田舎に行けばトイレがあるのはまだいい方でほとんど野外だ。バスが荒野のど真ん中で途中停車すると男性はバスの周りで用を足す。男性が一段落すると女性はバスから遠くて見えないところまで歩いてしゃがむ。バスから見えないのでたまに忘れられて発車したバスを大声で追いかけることになる女性には心から同情する。

写真(汚いので小さめで)はネットカフェのトイレ風景、一見普通だがよく見ると恐ろしい空間だ。さすがに先客の横に座る勇気はない。地元の若者に「君だったら座れる?」と尋ねたら「いやー、さすがに若い人にはムリ」と苦笑していたので、今後は中国のトイレ事情も変わるだろう。