では、京都は古典芸能が盛んなのか?について考えてみよう。
能楽は全国一の能楽密度を誇る。
大阪・兵庫を加えた関西圏と千葉・埼玉・神奈川を加えた東京圏を比べてみても遜色がない。この現象は他の芸能には見られず(文楽・漫才除く)、京都をはじめ関西における能楽の定着度が高いことが分かる。
京都は能楽が盛んかといえば、盛んである、といえるだろう。
次に歌舞伎であるが、松竹座会場以来大阪での歌舞伎公演が増えているとはいえ、東京中心志向は長いスパンで見ると依然進んでいる。
上方歌舞伎・関西歌舞伎の復興が叫ばれるが、いかんせん関西在住の役者が少なすぎる。中村雁治郎、片岡仁左衛門が戻ってきてくれればまた変わるだろうが・・。
京都に関していえば、年中行事としての顔見世、歌舞伎鑑賞教室、その他一公演、のみなので、「京都の歌舞伎」を云々いう状況ではない。近世後期から、京都劇壇は大阪劇壇の傀儡らしいから、大阪が盛んにならないとどうしようもない。
最後に文楽。これはあきらかに大劇場公演としては大阪の芸能である。
三大古典芸能なんていう括りで扱ってしまった為、国が保護せざるを得ないので、本場の大阪と、首都の東京の国立劇場で公演普及活動を行っている。
地方には農村の人形浄瑠璃が残っており、能勢、淡路、など日本各地に人形浄瑠璃資料館が建設されているが、芸能としての裾野があまりにも狭い。
能楽は謡仕舞・狂言、歌舞伎が舞踊・邦楽という風にお稽古事として観客を身内に取り囲んでいるが、義太夫・太棹・人形遣いをお稽古事としてやる人は少ないのが現状。
最近若い役者が歌舞伎でも狂言でも人気であるが、人形浄瑠璃はあまり顔が見えないからなあ。楽しいのに・・。
忘れていましたが、京都では年に6回公演。しかも昼夜公演なので実質3日公演を歌舞伎、新派、歌手公演の興行が入ってない夏場に南座でやる程度。