アンサンブル・エネサイ
国立民族博物館の研究公演「アンサンブル・エネサイ」公演を見に行った。入場無料だが往復はがきでの要申し込み、フーメイ研究会(仮称、メンバー3人、活動実績年一度、メンバー随時募集中)のNさんが申し込んでくれていたものだ。一年ぶりの研究会、どうもどうも。
アンサンブル・エネサイは、中央アジアのトゥバ共和国の国立アンサンブルのベテランメンバーが結成した全7名(音楽家4名、舞踊家3名)のパフォーマー集団。エネサイとはトゥバからロシアを流れるエニセイ川からとっている。愛地球博の出演にあわせて来日したばかりだ。
目当ては喉歌のホーメイだったが、踊りを含めて全7名のバンド形式でホーメイを聞くのは初めてで、そのダイナミックさに圧倒された。これまで私がライブハウスなどで聞いていたのは日本人歌手が客演という形で一部ホーメイの入った曲を演奏したり、モンゴルの馬頭琴奏者のライブに一部ホーメイが入るもので、それはそれで楽しかったのだが、今回のステージは「あれ、今まで聞いてきたのは何だったの? これが本物か~」と感動するに余りある豪華なアンサンブルだった。
踊りは肩が入った大きな動きが特徴で、遊牧民の馬上でのリズムがその動きに収れんされている(もちろんトゥバ語は分からないし、解説もなかったので感覚なのだが)。また、ツゥバの歌曲というと喉歌だけを取り出して奇妙な歌唱法というイメージが強く、聞いているわれわれもそのキワモノ的イメージに魅力を感じているのだが、実際は汎アジア的(日本を含めての)民謡リズムや歌唱法と共通している部分が多い。太鼓のきざみをバックに朗々と歌い上げ、「ハイハイ」と女性の高音の合いの手が入るところなど音頭に通じる。奇っ怪なホーメイもアンサンブルの中では必然であり、その奇っ怪さを感じないほど調和している。
日本の芸能では寡聞にして喉歌を聴いたことがないが、広く「枯れ声」や仏教用語の「白声」にあたる、マイクがない時代の浪花節や市場の売り声にはところどころに喉歌的音調が垣間見られ、日本にも以前は喉歌(的)文化があったと想像される。日本で失われてしまったものがまだ命脈を保っているツゥバの文化に改めて好奇心をくすぐられた。ということで来週の日曜日に京都であるホーメイ・ワークショップを申し込んだ。楽しみ楽しみ。